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- 2024.07.29
- ひとりごと
第60話『阿部詩選手』

一回限りの真剣勝負、筋書きの無いドラマが好きです。
こんにちは、初代代表取締役隊長の冨松です。
2024年7月29日の東京は連日35度を超え、暑さが笑えない毎日ですが、炎天下で働く皆さんには敬意を表する今日この頃です。
パリオリンピックが始まり、4年に1回の楽しい時間がやってきました。
まだ競技2日目が終わったばかりですが、大会初日から、女子柔道48kg級角田夏美選手が金メダル獲りましたね。おめでとうございます。
なんでも日本柔道史上で最年長のゴールドメダリストになったようで、素晴らしいですね。
そして、2日目は2大会連続兄妹での金メダル獲りを期待した阿部詩・阿部一二三の阿部兄妹。
強くてもアクシデントに見舞われたり、審判の不運な判定などが有る。
全ての1発勝負は、実力とは別に時の運がイタズラする。
さて、私が今回感動したのは、阿部一二三選手の連覇もさることながら、ベスト16で敗れた阿部詩選手だ。
ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)選手に前半”技あり”をリードしていたことから、守る意識と失うものが無くなった捨て身技が綺麗に入った。
誰がどう見ても、悔しいけど一本負け。
この時点で金メダルはおろか、3位決定戦(銅メダル)への出場も不可能となった。
日本中の放送を見ていた人は静まり返り、勝ったケルディヨロワ選手のコーチ以外は、時が止まった。
そこからだ、今までこんな光景が有ったか、、
脇目も振らずに泣きじゃくった。
その声は会場にこだまし、あまりに長い時間だった。

コーチも寄り添い、抱き抱えるも、
悔しさと儚さが重なり有ったのか、
それは赤ちゃんが泣きじゃくるかのように、
動かないまま、大声で泣いていた。
すると、大多数がフランス人をはじめとする外国人から、『U・TA♪♪ウータ♪♪ U・TA♪♪ウータ♪♪』のスタンディングでの大合唱。
人は、小ずるい発言や、ナメた行動に敏感で有ると同時に、一所懸命さや本気の姿は、言葉の壁や国境を超える。
阿部詩選手と会場から私も、もらい泣きしました。
ここまで、どれだけの時間、どれだけの過酷な減量、稽古を積み重ねてきただろうか。
24歳、4年先の感動に向けての第3章が昨日始まった。